2008年7月29日火曜日

中学生からの評価

今月初めに行った中学生への講演の感想文が担当の先生から届きました。これまでで一番、緊張した「授業評価」かもしれません。届いてから封を切るのにちょっと勇気がいりました。

幸い、どの感想文も「また来て下さい。」と好意的でホッとしました。
(お世辞でも嬉しいです。そうやって大人になるんだネ。笑)

なかには「いつか教わる側から教える側になりたいと思います。」「『人』と『人間』の違いがわかりました。」等、深いところまで理解してくれている子もいて嬉しかったです。中学生の理解は本当に幅広いです。

今回、一番、重点的に教えたのは「コミュニケーションの取り方」、いわゆる傾聴法です。相手の話を積極的に関心をもって聴くことの大切さと効果、逆に無視されることの辛さや悲しさを伝えてきました。この点はほぼ全員が感想に書いてくれたので良かったです。

一番、ウケの良かったのが、ツカミで持って行った「少年ジャンプ」の話題です。チャクラの修行を教えたら教室中が大騒ぎになって収拾がつかなくなるほどでした。
(これが一番、効果があったような・・・。)

私たちの未来である子供達に、何か伝えられていたら嬉しいことです。
中学での強烈な記憶体験は一生残るものですからね。

いや、それにしても緊張の講演でした。
でも中学生との触れ合いのコツがわかった気がするので、また機会があればチャレンジしたいと思います。

2008年7月22日火曜日

恋愛と結婚は別物

と、言っても色っぽい話ではありません。大学院のゼミの話です。

大学院を選ぶのに一番のポイントは一にも二にも指導教官です。師弟関係を結ぶわけですから。学会や講演会等で事前にいろいろな先生と触れ合い、お付き合いしてから”これは!”と思う先生を選ぶわけです。私も今回は4人の先生の中から考え抜いて選びました。

その選択には誤りも後悔もまったくありませんが、いざ時間をともにして深いお付き合いが始まると、それまでとは全く違った面が見えてきて驚くことがあります。これはきっと結婚と同じです。結婚と違って丸一日中、一緒にいるわけではないのでその点は助かりますが。
⇒もっとも結婚経験がないので本当のことはわかりません。 (^_^;

それまで見なかった考え方や気性やクセがわかってきて、そこから改めて相互理解の努力をしていくところは、本当に結婚や就職と同じではないかと思います。最近はすぐにわかれてしまうことも多いようですが、余程のことが無い限りリセットには反対です。敬遠はクセになりそうだしね。

私の場合は、指導教官の先生の分野が私も好きな分野(コンピュータ、統計学)だったので幸いです。でも仮に知らない分野だったとしても、興味をもってあたることが大切だと思っています。社会人になると仕事のうまいこなし方やかわし方も覚えて世渡り上手になりますが、20代後半の頃、新しい仕事に新鮮味ではなく面倒くささを覚えた時、「あ、これは年を取ったな。いかん、いかん。」と感じました。

人間、いくつになっても新鮮な気分で人や仕事とお付き合いしていきたいものですね。きっと先生も生徒の新たな面を発見して笑っている(困っている?)と思います。

 ~人の一生は重き荷物を背負うて坂道を行くが如し~ 笑

2008年7月15日火曜日

ウィリアムズ・タウン(Williams Town ,MA USA)

「大学のある街-1」  
仕事や趣味で訪ねた「大学のある街」を紹介していきます。

ウィリアムズ・タウンは米国マサチューセッツ州の西のはずれ、紅葉で有名なバークシャー地方にある街です。この町の中心であるウィリアムズ・カレッジは、ハーバード大学に次ぐ歴史(1793年創設)をもつ由緒ある大学で、所蔵の美術館の絵画等も充実しています。版画で有名なノーマンロックウェルの美術館も近く、素朴なB&B(Bed & Breakfast)で落ち着いた一日が過ごせます。

ふと入ったホテルのフロントに偶然にも日本人の従業員が居て、「いらしゃいませ!」と声をかけられたのは驚きました。フロントの方も、日本人は滅多に来ないので嬉しくなった声をかけました、とのこと。ボストンからハイウェイを飛ばして約4時間位はかかりますからね。こんな田舎の落ち着いた大学に居たら、身も心も清く正しく美しくなりそうです。若者を都市の誘惑から隔離して勉強させようということだったのかもしれませんね。

2008年7月10日木曜日

キャリアモデルのランキング

非常勤講師をしている大学の前期授業が一校終了しました。最終講義では受講学生が憧れやスーパー・スターとして描くキャリア・モデルのアンケート回答を集計してみました。それによると・・・

1位:イチロー
2位:織田信長
3位:アインシュタイン

この大学は理工系学生で受講生は男子だけなので科学者や研究者をあげる人が多いです。逆に人気の無いのは政治家や(品のない)お笑い芸人等です。
同様のアンケートを女子大学で見てみると・・・(昨年の集計です)

1位:マザー・テレサ
2位:オードリー・ヘップバーン
3位:イチロー

流石にイチローは男女国内外を問わずスーパースターになっているようですね。
このアンケートを見ていると、最近のトレンドや学生の指向がわかって面白いです。なかには杉原千畝やノーマン・ロックウェル等の渋い偉人を知っている学生も居てうれしくなります。

~ Everybody’s searching for a hero,
  People need someone look up to. ~

最終講義の感想文では、「この講義が後期にも無いのは残念です。」「今までにない面白い授業でためになりました。」とか書いてくれている学生も居て、教育に関わる者への報酬ですね。

さて、来週はレポートを採点して成績をつけて・・・。

2008年7月6日日曜日

三つの事実

先週の研修講師の仕事では「論理的思考」をテーマにした日があったのですが、たまたま大学院でも似たようなテーマ(クリティカル・シンキング)の授業でした。論理的思考(ロジカル・シンキング)は、いろんな解釈がありますが、まずは目の前の「事実」をしっかり捉えることが大切と話してきました。

1.客観的な事実 ⇒測定可能で客観的な現実
2.個人的心象の事実 ⇒本人だけの感情による事実
3.解釈された事実 ⇒完全に測定されてないが推論される事実

またまた恋愛を例にすると、

1.彼女は女である。
2.彼女は私にとって最高の女である。
3.彼女は多分、私にとって最後の妻である。

仕事や日常生活では1.が当然の事実として扱われますが、コンサルティングやカウンセリングの世界で話を聴いていると、クライアントの話す事実は、必ずしも1.ではありません。(でも、本人にとっては紛れもない事実です。)
コンサルティングではバッサリ心象や感情を切り捨てた1.の仕事の現実の世界に入っていけますが、カウンセリングでは2.と3.も大切にします。 聴いているこちらにも心象や解釈の事実があるので、そこに注意しながら共有していくのがなかなか難しいところです。

『コンサルファームでの経験と、カウンセリングの勉強が、こんなに日々の仕事や大学院での勉強に役立つとは思っていませんでした。』

 ・・・というのは、まだまだ「解釈された事実」です。
    早く「客観的な事実」(実力)となって欲しいものです。